お金には代えられないお得な派遣の経験

勉強という意味合いも兼ねて、デザイン関係の仕事を探していました。しかし探してみると、デザイン関係はやはりデザイン数の問題も兼ねてなのか殆どの会社が派遣での契約を主にしていました。そこで私も派遣会社へ登録したところ、すぐに希望の内容が見つかったため、面接をして派遣社員として入社しました。

アパレル、アパレル雑貨の製造・販売の他、雑誌媒体や卸し先へ同社の商品広告も提供するメーカーです。話だけを聞くとどこも社員と比べて若干の損がある印象の強い派遣社員ですが、仕事だけに集中したい私にとってはとても良い経験であり、良い環境と思えてくる仕事でした。

まずよかったと感じたことは、表に出なくても良いという点です。 来客を含めた電話などの対応は全て正社員のフロアへ回るため、派遣社員は外部とほぼ接触の必要がない状態でした。

そんな中で、やはり正社員は新卒も多く採用するために社員教育も手が掛かるようでした。 私達、派遣社員は他の会社での経験がある人間も多いので外部の対応に関しては必要があれば可能な人が殆どでしたが、正社員以外は表に出さない方針の元に基本的には表に出ることがありませんでした。

ある日の来客で営業日外にお世話になっている他社の重役さんがいらっしゃいましたが、私達は派遣なので出勤の必要がありません。もちろん派遣は誰一人出勤をしませんでしたが、正社員の同フロアの人は全員休日出勤をしていました。

そこで新卒の正社員である女性が、酷い無礼をしてしまったそうです。 言葉遣いに加えてお話の言い回しなどの社会人としての常識の範囲内の内容だったそうですが、元々あまり社会的な常識が欠けていた人でした。

それが他社の方の逆鱗に触れてしまったそうで、その場にいた全員が社員教育・教え合うという基本がなっていないと、名前と顔を確認されて責任者へ直接の苦言がありました。もちろん後日、社内では大問題となりその日に出勤していた社員は全員、厳重な指導とお叱りをされ、新卒は全員再度の研修をさせられていました。

正社員は全社員、その日に出勤をしていた人かどうかのチェックを行い、出勤していなかった社員は軽い注意がありましたが派遣社員である私達は特に注意などもなく『こういうことがあった、指導までの面倒は掛けませんが、社会経験がある人はもし正社員が常識の範囲外の行動をしているのを見たら注意してください』との呼び掛けのみでした。

正社員であれば休日出勤としてその日に出勤しなければならないフロアだったので、私は申し訳なく思いながらも心底、休日出勤の必要がない派遣社員でよかったと思いました。

一応は制度としてあるものの派遣社員は良い顔をされないので有給はなかなか取りづらいですし、保険面やその他の待遇でも少しばかり不利な要素を感じていました。 自らデザインをしている商品に関わる時も、商品に関する説明などのレポートや資料を作成するだけで、表に出ればチャンスになりうるのに『資料だけくれれば派遣社員は来なくても大丈夫だから』という扱いもあまり良い気分とは言い難い面もありました。 ですがこういった本業とは違う場面や不本意な連帯責任を取らされてしまうのであれば、この時のように休日出勤をしてまで出勤の必要がないのは良かったと思います。

待遇は確かに劣るかもしれませんが、こういう風な『契約した仕事内容以外の必要はない』というのは、デザインなどの専門職・集中したい作業内容の時は逆に合っているようにも思いました。 もちろん私のいた会社が若干、表に出ないことに極端な例だとはおもいますが、余計なことに力を使わず専門とする仕事を徹底したい場合はとてもやりやすい立場だと思います。